忘れる前に復習はウソ!? 脳の仕組みを活かした暗記法とは?
忘れる前に復習はウソ!?
脳の仕組みを活かした暗記法とは?
こんにちは、yukiです。
「なかなか覚えられない」
「何度やってもすぐ忘れてしまう」
ってこと、あると思います。
なので、何度も復習していると思います。
受験で勉強は欠かせません。
しかし、あなたは復習を欠かさずこなしているにも関わらず、
思ったように成果が出ないことありませんか?
実は、復習の効果を最大限に発揮するには
“復習のタイミング”が大きく関わっていることがわかっています。
科学的な根拠に基づいて最適な復習方法について考えます。
「今日やったことは忘れないうちに復習するように」と、
小学生の時からあなたも耳にタコができるほど
言われてきたことだと思います。
正論のように聞こえてしまいますが、
科学的にはすでに否定されたアドバイスです。
復習のタイミング
復習にはタイミングがあります。
2008年アメリカのグループによ ると、
テストの得点は
「学習から復習までの“期間1”」
「復習からテストまでの“期間2”」
に密接な関係があることがわかりました。
復習に最も効果的なのは、
期間1と期間 2のタイミングが「1:5」
となるタイミングで行なうことです。
つまり、今日勉強したら、5日後に復習をすると
最も高い点が得られるということです。
その一方で期間1が0日、
つまりその日のうちに復習すると
最も得点が低いという結果が得られ、
勉強してすぐに復習することは効果がないことがわかっています。
ものすごく簡単にいうと、
- 勉強の内容を忘れないうちに復習すると、テストの点数が低い
- 勉強の内容を忘れた頃に復習すると、テストの点数が高い
「忘れないうちに復習する」というアドバイスは完全に間違っていて、
本当は「忘れたころに復習する」が正解になります。
記憶のメカニズム
このような現象が起きるのは、記憶のメカニズムに原因があります。
私たちの脳は進化の過程で、
できるだけ無駄なエネルギーを使わないように
発達してきています。
つまり、脳がラクをしたがっているんですね。
そのため、忘れないうちに復習を行うと、
脳は次のように考えます。
「すでに知っている場だから記憶しなくてもいいな!」
結果として、せっかくした復習は頭に残らず、
無意味な時間を使っただけになってしまいます。
一方で、忘れたころに復習した場合、
脳のリアクションはこうなります。
「わざわざ思い出そうとしているということは、
この情報は大事なものに違いない。記憶しておこう!」
思い出す作業が脳に刺激を与え、記憶の定着に結びついてわけです。
本当に使える勉強法
では、どのタイミング復習すればいいのかをシェアします。
現時点でもっとも制度が高いのは、
研究者が過去のデータをもとに考え出したインターバル復習です。
STEP1:最初の復習は1~2日後に行う
STEP2:2回目の復習は7日後に行う
STEP3:3回目の復習は16日後に行う
STEP4:4回目の復習は35日後に行う
STEP5:5回目の復習は62日後に行う
このスケジュールは、人間の記憶が薄れていく時間の
平均値をベースに組み立てられてもので、
記憶した情報の量が90%まで減ったタイミングで
復習を行うように設定されています。
理想ではありますが、
現実的にこれを実践するのはかなり難しいことです。
しかし、この原理を有効に使えれば、
記憶の定着率が格段に上がることは間違いありません。
ではどうするかですが、
「できる範囲内で忘却曲線を利用する」
「優先順位をつけて復習する」
ことで解決できます。
具体的には次の点に注意して復習を行います。
①復習回数の少ないものを優先する
学習後、丸一日何もしないと
その大半を忘れてしまうのですから、
1回目の復習は最優先で早く行います。
このタイミングを逃すと格段に記憶の定着率が下がります。
時間がない場合であっても、
「5分で理論を確認する」
「15 分でテキストを速読する」
これだけのことでも記憶の定着率が格段に上がります。
これに対して、4回目や5回目の復習など、
日数が進んだものについては後日に回して構いません。
②覚えにくいもの、出来の悪い問題を優先する
「覚えにくいものや苦手なもの」や「出来の悪い問題」は、
後回しにしがちですが
後に回せば習得により時間がかかってしまいますので、
優先的に復習します。
逆に、覚えやすいものや得意なものは後日に回して構いません。
復習のタイミングは想像以上に重要なものです。
できるだけ忘却曲線を意識した復習を実行してみてください。
計算問題は4回以上解かないと効果が上がらない
本当に基本的な問題は別として、
計算問題は4回以上解かないと効果が上がりません。
しかし、「完璧に解けた問題を繰り返し解く意味があるのか?」
という疑問があると思います。これには次のような理由があります。
①記憶を強化する
完璧に解けた問題であっても、時間が経つと記憶がぼやけてきます。
2ヵ月後に解いてまた完璧に解けるという保証はありません。
記憶を強化するためには反復練習が必要です。
②解答パターンを作る
「もっと効率的な解き方はないか」と考えながら、
解答手順を変えたり、別の集計方法を試すなど、
いろいろ工夫をしながら解きます。
そのなかで、こう解くと一番スムーズに解けるなという
「自分なりの解答パターン」ができあがります。
「自分なりの解答パターン」が構築できると応用問題にも対応できます。
③解答スピードを上げる
本試験では解答スピードが要求されます。
最初は時間のかかった問題も、
繰り返し解くと当初の3分の2の時間で(または半分の時間で)
解けるようになります。
「それは問題を覚えてしまったからだろう」
という反論があると思いますが、
スピードを上げるためには反復練習しかありません。
ただし、スピードを上げるといっても限度はあります。
限度以上のスピードを求めると、
問題を読まないで解く(これをやったら100回解いても効果はゼロです)
などの悪影響が出るため注意が必要です。
④精度を上げる
簡単な問題でもうっかり間違えることがあります。
これは悪い経験ではありません。
簡単な問題でも、気を抜くと手痛い目に遭うと気づかされます。
しかし、それをテストでやってしまったら大変です。
テストでは、簡単な問題を確実に取るための精度が要求されるので、
精度を上げるためには反復練習しかありません。
⑤読解力を養う
繰り返し解いていると、
これは重要な資料だけど見落としやすいなとか、
見た目はいつもと同じだがこの部分はパターン崩しだなとか、
この資料がなくても解けたけど何のために書いてあるのだろう、
といったことに気がつきます。
このような、問題文に対する敏感な感覚を養うには、
反復練習によるセンスの錬磨しかありません。
なので私は、4回以上解くことをお勧めしています。
失敗が記憶を強化する
記憶を強化するためには、
「復習する」と同時に「失敗すること」も重要です。
問題の意図を取り違えたりやケアレスミスをしたり、
といった失敗をすることです。
失敗をして「しまった!」という思いが強烈なほど
記憶は鮮明に残ります。
大失敗したことなどはいつまでも覚えていますよね。
そうした失敗が多ければ多いほど、
記憶はより正確で強固なものになります。
だから、失敗は多いほうがいいです。
テストでは、わからないところをヤマカンで解答して
偶然正解することがあります。
それで良い点数を取ったからといって喜んではいけません。
そのようなことはすぐ記憶から消えてしまいますし、
合格するための実力を身につけるという面からみれば、マイナスです。
なので、テストで失敗したからといって、がっかりする必要はありません。
以上、復習は忘れやすいタイミングでしてみてね!